電通健康保険組合

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特定健康診査等実施計画

1.背景及び趣旨

我が国は国民皆保険のもと、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた。 しかし、高齢化の急速な進展に伴い、疾病構造も変化し、疾病全体に占める生活習慣病の割合は増加し、死亡原因でも生活習慣病が約6割、医療費においても国民医療費の約3分の1を占める状況にある。

生活習慣病の中でも、特に心疾患、脳血管疾患等の発症の重要な危険要因である糖尿病、高血圧症、脂質異常症等の有病者やその予備群が増加しており、またその発症前の段階であるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者と予備群と考えられる者が多くなっている。

国民の生涯にわたる生活の質の維持・向上のためには、糖尿病、高血圧症、脂質異常症等の発症、あるいは重症化や合併症への進行の予防に重点を置いた取組みが喫緊の課題となっている。

このような状況に対応するため、「高齢者の医療の確保に関する法律」が制定され、平成20年度からは、保険者は40歳以上74歳以下の被保険者及び被扶養者に対し、糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査(特定健康診査)を実施し、その結果により健康の保持に努める必要がある者には、保健指導(特定保健指導)を実施することが義務付けられた。

特定健康診査等実施計画は、当健康保険組合の特定健康診査及び特定保健指導の実施方法に関する基本的な事項、特定健康診査及び特定保健指導の実施並びにその成果に係る目標に関する基本的事項について定めるものである。

なお、本計画は、高齢者の医療の確保に関する法律第19条に基づき、第2期データヘルス計画が6か年計画であることを踏まえ、今回より6年を一期として定め、2018年度から2023年度の6か年計画となる。

2.特定健康診査等の実施方法に関する基本的な事項

(1)特定健康診査等の基本的考え方
日本内科学会等内科系8学会が合同でメタボリックシンドロームの疾患概念と診断基準を示した。これは、内臓脂肪型に起因する糖尿病、高脂血症、高血圧は予防可能であり、発症した後でも血糖、血圧をコントロールすることにより重病化を予防することが可能であるという考え方を基本としている。
メタボリックシンドロームの概念を導入することにより、内臓脂肪の蓄積や、体重増加等が様々な疾患の原因になることをデータで示すことができるため、健診受診者にとって生活習慣の改善に向けての明確な動機付けができるようになる。

(2)事業主が行う健康診断及び保健指導との関係
現在、労働安全衛生法に基づく定期健康診断とそれ以外の生活習慣病、人間ドック等の健康診断にあっては、健保組合と事業主の共同事業として、健保組合が主体となって実施していることから、今後も健保組合が主体となって行う。なお、この場合の労働安全衛生法に基づく定期健康診断及び保健指導に要する費用は、事業主が負担する。

(3)特定保健指導の基本的考え方
特定保健指導の目的は、生活習慣病予備群を生活習慣病に移行させないことである。すなわち特定保健指導は、対象者が健診結果から自らの健康状態を自覚し、生活習慣の改善に自主的に取り組めるよう支援することにある。

3.実施方針

(1)現状
当健保組合は、株式会社電通を母体とし、グループ会社31社で構成する単一型の健保組合である。

平成29年12月現在の被保険者数は14,655人、被扶養者数は13,411人で約28,000人の加入者規模になっている。
当健保組合に加入している一般被保険者は、平均年齢が44歳(男性46歳、女性39歳)で、男性が全体の約7割を占めている。

(2)健診の実施状況
健康診断については、株式会社電通及び東京所在の一部の事業所の被保険者については、当健保組合の健康管理センターで受診している。
また、地方在住の被保険者等で健康管理センターを利用できない者は、三者契約医療機関(健保組合、事業主及び医療機関との三者で契約・全国で約46ヶ所)で受診し、被扶養者(家族)及び特例退職被保険者については、人間ドックの契約医療機関(健保組合と医療機関の個別契約・全国で約120ヶ所)で受診している。

平成28年度の特定健康診査受診者(~75歳未満)は、被保険者6,364人、特例退職被保険者(任継被保険者を含む)1,061人、被扶養者2,237人の計9,662人であり、受診対象者の約75%が受診している。また、特定保健指導の受診者は、全体で390人であり、指導対象者の26.51%となっている。

(3)第3期特定健診・特定保健指導の実施方針
国から示された第3期特定健診等の目標実施率は、特定健康診査は90%以上、特定保健指導は55%以上である。
当健保組合の平成28年度の実施結果(実績)は国から示された目標実施率を下回っていることから、当健保組合は、「特定健診・特定保健指導の実施率の向上」を保健事業の最重要課題と位置付け、事業主との協働実施(コラボヘルス)を有効的に活用するなどにより、第3期特定健診・特定保健指導実施計画の目標達成に努めることとする。

4.達成目標

(1)特定健康診査の実施に係る目標
平成35年度における特定健康診査の実施率を90%とする。
この目標を達成するために、平成30年度以降の実施率(目標)を以下のように定める。

①目標実施率(被保険者と被扶養者の合計)(%)
  30年度
(2018)
31年度
(2019)
32年度
(2020)
33年度
(2021)
34年度
(2022)
35年度
(2023)
国から
示された
目標実施率
一般被保険者 96.8 97.4 98.1 98.7 99.4 100
任継・
特退被保険者
64.5 67.1 69.7 72.3 74.9 77.5
被扶養者 55.6 60.0 64.4 68.8 73.2 77.5
被保険者
+被扶養者
78.5 80.9 83.2 85.5 87.8 90.0 90.0
②特定健康診査の対象者数及び目標実施者数
(ア)一般被保険者
  30年度
(2018)
31年度
(2019)
32年度
(2020)
33年度
(2021)
34年度
(2022)
35年度
(2023)
対象者(人) 6,941 7,105 7,269 7,433 7,598 7,761
目標実施率(%) 96.8 97.4 98.1 98.7 99.4 100
目標実施者数(人) 6,715 6,920 7,128 7,337 7,548 7,761
(イ)任継・特退被保険者
  30年度 31年度 32年度 33年度 34年度 35年度
対象者(人) 1,585 1,541 1,498 1,456 1,416 1,377
目標実施率(%) 64.5 67.1 69.7 72.3 74.9 77.5
目標実施者数(人) 1,022 1,034 1,044 1,053 1,061 1,067
(ウ)被扶養者
  30年度 31年度 32年度 33年度 34年度 35年度
対象者(人) 4,565 4,614 4,663 4,713 4,764 4,817
目標実施率(%) 55.6 60.0 64.4 68.8 73.2 77.5
目標実施者数(人) 2,538 2,768 3,003 3,243 3,488 3,733
(エ)被保険者+被扶養者
  30年度 31年度 32年度 33年度 34年度 35年度
対象者(人) 13,091 13,260 13,430 13,603 13,778 13,955
目標実施率(%) 78.5 80.9 83.2 85.5 87.8 90.0
目標実施者数(人) 10,275 10,722 11,175 11,633 12,097 12,561

(2)特定保健指導の実施に係る目標
平成35年度における特定保健指導の実施率55%とする。
この目標を達成するために、平成30年度以降の実施率(目標)を以下のように定める。

①目標実施率(被保険者と被扶養者の合計)(%)
  30年度
(2018)
31年度
(2019)
32年度
(2020)
33年度
(2021)
34年度
(2022)
35年度
(2023)
国から
示された
目標実施率
一般被保険者 31.7 35.6 40.1 44.6 48.8 53.3
任継・
特退被保険者
34.3 43.0 48.1 53.2 58.5 64.2
被扶養者 33.8 41.3 45.5 50.6 56.4 62.0
被保険者
+被扶養者
32.2 36.7 41.3 45.9 50.4 55.0 55.0
②特定保健指導の対象者数及び目標実施者数
(ア)一般被保険者
  30年度
(2018)
31年度
(2019)
32年度
(2020)
33年度
(2021)
34年度
(2022)
35年度
(2023)
動機付け支援対象者(人) 593 600 608 616 624 632
実施率(%) 36.1 46.5 52.3 58.1 63.8 69.6
実施者数(人) 214 279 318 358 398 440
積極的支援対象者(人) 585 594 601 609 617 625
実施率(%) 27.4 24.6 27.8 30.9 33.7 36.8
実施者数(人) 160 146 167 188 208 230
保健指導対象者計(人) 1,178 1,194 1,209 1,225 1,241 1,257
実施率(%) 31.7 35.6 40.1 44.6 48.8 53.3
実施者数(人) 374 425 485 546 606 670
(イ)任継・特退被保険者
  30年度 31年度 32年度 33年度 34年度 35年度
動機付け支援対象者(人) 135 137 138 140 142 143
実施率(%) 35.6 46.7 52.2 57.9 63.4 69.9
実施者数(人) 48 64 72 81 90 100
積極的支援対象者(人) 28 28 28 29 29 30
実施率(%) 28.6 25.0 28.6 31.0 34.5 36.7
実施者数(人) 8 7 8 9 10 11
保健指導対象者計(人) 163 165 166 169 171 173
実施率(%) 34.3 43.0 48.1 53.2 58.5 64.2
実施者数(人) 56 71 80 90 100 111
(ウ)被扶養者
  30年度 31年度 32年度 33年度 34年度 35年度
動機付け支援対象者(人) 55 56 57 57 58 59
実施率(%) 36.4 46.4 52.6 57.9 63.8 69.5
実施者数(人) 20 26 30 33 37 41
積極的支援対象者(人) 19 19 20 20 20 20
実施率(%) 26.3 26.3 25.0 30.0 35.0 40.0
実施者数(人) 5 5 5 6 7 8
保健指導対象者計(人) 74 75 77 77 78 79
実施率(%) 33.8 41.3 45.5 50.6 56.4 62
実施者数(人) 25 31 35 39 44 49
(エ)被保険者+被扶養者
  30年度 31年度 32年度 33年度 34年度 35年度
対象者(人) 13,091 13,260 13,430 13,603 13,778 13,955
動機付け支援対象者(人) 783 793 803 813 824 834
実施率(%) 36.0 46.6 52.3 58.0 63.9 69.7
実施者数(人) 282 369 420 472 526 581
積極的支援対象者(人) 632 641 649 658 666 675
実施率(%) 27.4 24.6 27.7 30.8 33.8 36.9
実施者数(人) 173 158 180 203 225 249
保健指導対象者計(人) 1,415 1,434 1,452 1,471 1,490 1,509
実施率(%) 32.17 36.73 41.3 45.87 50.43 55.0
実施者数(人) 455 527 600 675 751 830

③特定健康診査等の実施の成果に係る目標
特定保健指導対象者の割合を平成35年度までに50%減少させる。

5.特定健康診査等の実施方法

(1)実施場所
特定健康診査は、株式会社電通及び東京所在の一部の事業所の被保険者については、当健保組合の健康管理センターで行う。
それ以外の被保険者については、三者契約医療機関に委託して行う。特例退職被保険者及び被扶養者については、契約医療機関に委託して行う。
特定保健指導は、株式会社電通及び東京所在の一部の事業所の被保険者については、健康管理センターで行う。
それ以外の被保険者については、三者契約医療機関に委託して行う。

(2)実施項目
原則として、特定健診の健診項目を含んだ人間ドックを実施する。

(3)実施時期
実施時期は、通年とする。

(4)受診等方法

  • ①被保険者(特例退職被保険者及び任意継続被保険者を除く。)にあっては、各事業所からの案内に基づいて日時を登録した上で、特定健康診査又は特定保健指導を受ける。
  • ②被扶養者、特例退職被保険者及び任意継続被保険者にあっては、当健保組合から送付する受診票又は受診券を契約医療機関等に被保険者証とともに提出して、特定健康診査・特定保健指導を受ける。
  • ③特定健康診査及び特定保健指導受診の受診者負担は無料とする。 ただし、人間ドック受診の場合は、料金の5%と総額にかかる消費税相当額を受診者が負担する。

(5)委託の特例
被保険者及び被扶養者が遠隔地にいる場合など、三者契約医療機関等での受診が困難である場合は、代表医療保険者を通じて健診機関の全国組織との集合契約を結び、代行機関として社会保険診療報酬支払基金(以下、「支払基金」という。)を利用して決済を行い、全国での受診が可能となるよう借置する。

(6)周知及び案内方法
特定健康診査及び特定保健指導に関する情報の周知及び案内は、各事業所を通じて行うほか、当健保組合の機関紙等に掲載するとともにホームページに掲載して行う。

(7)特定健康診査データの受領方法
特定健康診査のデータは、三者契約医療機関等から電子データとして随時(又は月単位)受領して、当組合で保管する。
また、外部委託機関で実施した特定保健指導のデータについても同様に電子データで受領するものとする。なお、保管年数は当健保組合が実施した分も含め、5年とする。

6.個人情報の保護

特定健康診査等の事業の実施に当たっては、電通健康保険組合個人情報保護管理規定を遵守する。
外部委託された三者契約医療機関等に対しては、個人情報の厳重な管理や目的外使用の禁止等を委託契約書に明記する。

7.特定健康診査等実施計画の公表・周知

本計画の周知は、機関誌やホームページに掲載することにより行う。

8.特定健康診査等実施計画の評価及び見直し

当計画については、平成32年度に3年間の評価を行い、目標と大きくかけ離れた場合、その他必要がある場合には見直すこととする。

9.その他

当健保組合に所属する保健師等については、特定健診・特定保健指導等の実践養成のための研修に随時参加させる。

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